初の海外旅行は中国大陸

熱風が腕にまとわりついた上海

まだ20代半ばの頃でした。初めて海外旅行を経験した私は、旅行者として遅咲きだったかもしれません。中国旅行のツアーを選んだ理由は、飛行機に乗る時間が短かったからです。飛行機に乗ることすら初めてでしたので。

3時間のフライトの後に降り立ったのは上海。タラップを降りた途端に、湿度の高い熱風が両腕にまとわりついた感覚を今でも忘れていません。ああ、これが大陸の風なのだと感動したことを覚えています。

上海はエネルギッシュな都市で、高層ビルと華やかなネオンが象徴的でした。豫園などの有名な寺院も見学しましたが、最も印象深かったのは、上海の熱気そのもののような濃密な風でした。

西安の彼方にかすむ道

近代的な街並みの北京よりも思い出深いのは、古の面影が色濃く残る西安でした。レストランで出されたビールは温く、ドアのないトイレも体験しました。

けれど、中国旅行で最も感動したのは大雁塔から見た光景です。手すりがついていない急な階段を登り、目の前に開けたのは、はるか彼方にかすむシルクロード。富を求めて、あるいは真理を、理想郷を目指して旅立った人たちの背中が見えるようでした。

後年、奈良県の薬師寺を訪れた時に、平山郁夫氏が描いた大雁塔の絵を拝見しました。シルクロードにろうろうと立ち上る陽炎すら伝わりました。

秋になったら高知のタビマスターズを見つけて飛び立とう